未来からの贈り物
「お部屋はここです。」


そして彼女は手を離す。


わずかな時間ではあったが、ドキドキしてしまった。


店の外からこの部屋にくるまでの記憶がないくらいに…


僕が扉に手をかけようとしたその時、


「ちょっと待って」と…


僕の頭をマジマジと見つめ、そっと髪に触れた。



まだ半乾きの髪に…


「急がせてしまったみたいですね。」


そう言って彼女は笑った。


そして僕はもう一度思うのである。


『男に生まれて良かった』と…


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