未来からの贈り物
「あ…、その手紙なんだけど…」
妻が言葉を発する前に説明をしようと、妻の言葉を遮るように先に言葉を発した。
横目でチラッと手紙を見るとおかしな点に気付いて、説明を止め手紙に手をのばした。
「ん??」
僕が首を傾げながらそれを手に取って妻の顔色を伺うと
妻は無言のまま軽く頷いた。
とりあえず読めと言う事であろう。
僕は手に持っている手紙に視線を落とした。
少し震える手で手紙を開くとそこには
『これから出会う人を好きにならないで』
と…。
記憶にある内容だったのだ。
僕の頭の中は『?』でいっぱいになった。
僕が妻に渡した手紙は1通だけ…それなのに目の前には何通かの手紙が束になっていたのだ。