性悪シンデレラ-顔がよければ性格がいいわけじゃない-

その数日後。

街では王子様がガラスの靴のサイズがぴったり合う女性を探しているという噂が流れました。

それを耳にしたシンデレラは顔をひきつらせます。


(ゲッ、マジかよ、あのドM王子が…)


それからさらに数日。

王子様の従者と思われる整った格好をした男二人がシンデレラの家にも訊ねてきました。


「このガラスの靴に足をはめていただきたい」

「まぁっ! 勿論ですわっ!」


母と姉たちは喜んで足を差し出しましたが、足が小さすぎて上手くはまりません。


「そちらの娘、貴方にもはめていただきたい」

「そんなっ! シンデレラは舞踏会には行っていませんわっ!」

「王子が全ての娘を確かめよ、とのご命令だ」


そう従者が静かに言葉を落とせば、悔しそうに眉根を寄せる三人。

シンデレラは仕方ないとため息をつくと、スッと足をガラスの靴にはめます。


「おぉっ! はまったぞっ!」

「貴方様が王子が探していたお妃様だったのですねっ!」


従者たちは喜びました。
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