性悪シンデレラ-顔がよければ性格がいいわけじゃない-

「では、まずはかぼちゃとネズミとトカゲを用意して下さい」

「は?かぼちゃはともかくネズミとトカゲなんていないけど」

「そんなっ!この家ならうじゃうじゃいると思ったのにっ!」

「おー、昨日まではいたけどな。絶滅させた」

「なんてことをっ!それでは舞踏会に連れて行くことはできなっ…」

「警察」


単語をひとつ口にするとぐっと握り拳を握り締めた彼は落ち着くためにすーはーと大きく深呼吸しました。


「仕方ありません。では何か代わりになるものを用意して下さい」

「代わりか。それならこの野良犬と野良兎がいる。今日捕まえたんだ」


シンデレラが指を指した先には檻に入った中型犬と小さな兎がいました。


「おおうっ!それはちょうどいいですっ!」


キラリと顔を輝かせた魔法使いでしたが、ハッとして恐る恐るシンデレラに訊ねます。


「……あの、ところでどうして捕まえたんですか?」

「今夜の夕食にしようと思ってな」


ペロリと舌で唇を舐めると、檻の中に入れられた動物二匹はガタガタと震え上がりました。
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