【完】┼S o u r S w e e t┼
時計を見ると、AM 7:38を指していた。
顔を洗おうと洗面所に向かうとき、玄関先の物音に気付く。
「…亮佑さん…」
玄関を覗くと、座って靴を履いている亮佑さんの姿。
その傍らにある荷物。
「奈緒…」
少し驚いた顔をしてこちらを見る。
すぐに逸らされた目を、横顔を、あたしは見つめたままだった。
ただただ沈黙が流れる、気まずい空間。
それでも、もし今喋ってしまったら
全てを吐き出してしまいそうで怖くなる。