【完】┼S o u r S w e e t┼
何も言わないで、出ていくつもりだった?
あたしって、それくらいの存在?
顔も…合わせたくなかった?
グルグルと回るネガティブな思考回路に嫌気がさす。
それからどのくらい経っただろうか。
少しの時間が、とてつもなく長く感じられるこの空間で
沈黙を破ったのは亮佑さんだった。
「奈緒」
呼ばれた名前に、俯いてた顔を上げる。
「…昨日は、ごめんな」
亮佑さんの謝罪の意味は何だろう。
“キスして、ごめん”
謝られたあたしは、どうしたらいいの?