【完】┼S o u r S w e e t┼
久しぶりに聞いた名前。
心で思っても、決して口にはださなかった。
葉月も気を遣って触れないでいてくれてた。
なのに、急にどうして…?
「あたしが身勝手なせいで、奈緒につらい思いさせちゃってるね」
「そんなことないって。葉月のせいじゃ…」
「奈緒」
あたしの言葉を遮ると、少し微笑んで再び話しはじめた。
「実はね、潤のこと、誤解だったの」
「え、そうなの?」
「…うん。浮気も勘違いだったみたい」
小さく、それでも嬉しそうに笑う葉月。