【完】┼S o u r S w e e t┼
「奈緒、話がある」
あたしの目を真っすぐに見て、真剣な顔で言う亮佑さんから目が離せなかった。
「え、奈緒ちゃん知り合い?」
「あ…ちょっと、いろいろあって…」
そう説明しているあたしの手を掴み引き寄せる。
「奈緒、借りるぞ」
「どうぞ〜」
「ちょ、伽奈先輩…!」
呆気なく見放されたのと、亮佑さんの行動に頭がついていかない。
「あのっ…亮佑さん…」
呼びかけても、亮佑さんの返事はなかった。