四季。姉の戻らない秋




母が泣いていた。

わたしにはわからなかった。

どうしてわたしを責めないの?

間違いを誰にも指摘してもらえないわたしを、誰が許してくれるというの?


あやまらないで。

やさしくしないで。

哀れむ瞳を向けないで。

そうされたぶんだけ、身体中が軋んで痛い。

わたしはいつまでこうして苦しめばいいんだろう。


彼に会いたいと思った。

彼ならわたしの望む言葉をくれる。

そんな気がした。

あれほど時間を求めていたのに、彼を待つ姉の命日までが酷く長く息苦しかった。

このまま動けず止まってしまえたらと、何度も思った。

次の姉の命日を待たずに、わたしは姉の年を越える。







「誕生日おめでとう、暦」

祝ってくれる彼氏もいない誕生日の当日、職場である服屋から直帰した20:28。

リビングで待ち構えていた両親があたたかな眼差しと共に祝いの言葉を贈ってくれた。


あの日の小さな諍いに、誰もが目を逸らして笑っていた。


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