アタシはゴミ収集車に恋をする
“今、電話大丈夫?”

ショウさんからのメール。




“大丈夫ですょー(´∀`)”







めっちゃドキドキ。
ショウさんと電話…。






「もしもし?」
少し高めの緊張ぎみの声。
「はい。ゆなですぅ。」
少し呑気に返事してみる。
「今日の仕事どうでしたか?」

「ん? やっぱりキツかったで。俺、汗っかきやから、めっちゃ大変なことになってた。
 でも、会社に風呂あるし、すぐに風呂に入ったけど。」
ショウさんが少し緊張ぎみに、だけど気を取り直したように言う。





 いつも思うこと。ショウさんの会社ってお風呂があるんだけど、いつも必ずお風呂に入ってから帰るんだよね。

 というか、会社にお風呂があるって珍しいな。




「そうなんですか(・ω・) お疲れ様です♪」




この後、なぜかアタシが一方的に話してしまった。




 地元のことを話したり、
 将来のことを話したり、
 実はモテてることを話したり(誇張してるだけだけど)、
 方言をわざと喋ってみたり。



 ショウさんが、うん、うんと聞いている。



 そしてショウさんが何度も言ってきた言葉。

「俺、なんも考えてないわあ。すごいな、ゆなちゃん。いろいろ考えてて。」




「ううん、大丈夫。なんも考えなくても、それにも良さがあると思うもん。」
カバーするのに必至なアタシ。









そして、いろいろな話をしながら、何度もショウさんに「すごいな」と言われながら、なんだかんだで気付けば1時間ほど電話していた。

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