初めましてなんかじゃない
真人から聞いた私の過去とは、衝撃的な過去だった

整理して考えようとしても、うまく、まとまらない

ただ、一つだけ嬉しいと言えることがあった

私と真人は付き合っている、と言う事だった

私の記憶の中で会って、2日しか経っていないのに、私は真人の事を好きになっていた

「そういえば、私の家族は?」

すると真人は明らかにギクリ、と肩を揺らした

「お前の家族は、・・・もう、亡くなっている」

え・・・?

ナクナッテイル??

なくなっている??

亡くなっている??

あ、死んじゃったって事か

思い出せもしない家族は、もう死んでいた

悲しいはずなのに、辛いはずなのに、何も出てこなかった

記憶がないって、こんなにも、もどかしいものなのか

自分の感情が分からないって、こんなにも辛い事なのか

この時私は、改めてそう、思った
< 10 / 60 >

この作品をシェア

pagetop