初めましてなんかじゃない
ウ゛―

あ~あ!

これも違った!

手当たり次第で数字をポンポン入れていったが、全部外れた

当たり前ちゃ、当たり前なんたけど・・・

でも、私にはもっと確実な、方法があるって分かったんだ!

自分の誕生日!

だいたいの人はこれ、使うし、私だったらたぶん使うハズ

とん、とん、とん、とん、ウ゛―

あれ?

とん、とん、とん、とん、ウ゛―

あれれ!?

わたしって、そんな単純な人じゃないの!?

ケイタイを投げそうになったが、画面に何か違う表示が出ている

なんだろう?

「一分後まで使用できません…!!!!!」

まるで、エサをオアづけされた犬の気持ちのようだ

一分経つまで待っていようとケイタイを棚に置いた時、ウ゛ーと携帯が鳴りだした

「桜?あ!桜から電話だ!」

画面を押して、電話に出る

「もしもし・・・桜?」

どうやら外にいるようだ

風に交じり、ノイズが少し聞こえる

「あ、葵?いつごろ学校来れる?」

んー・・・

「医者は、あと二週間もすれば行けるんじゃないかって言ってた」

「そっか、分かった!それから、今日の事誰にも話すなよ?」

度すの効いた声

それが、桜の本性

私は、桜と言う女に警戒心が強く芽生え始めた
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