初めましてなんかじゃない
それからキッチリ二週間

私の怪我は、思いのほか、治るのが早かった

そして今日は、私の通っていた学校に行く日

制服を着、髪を梳かす

私の家は、死んでしまった家族と暮らしていた家だ

なので、一戸建て

一人で暮らすには少し大きすぎる

ローンは、保険が、なんちゃらかんちゃらで、すべて返し終わったことになっているらしい

私は、あまりよく知らない事だが。

ピンポーン

「もう来ちゃった!?」

バタバタと玄関のドアを開ける

「ヤッホー!葵!退院オメデトー!」

可愛らしい笑顔で、私にあいさつをするのは、桜

私は、この人がどうも、怖いらしい

入院中で、何度も、お見舞いに来てくれたのだが、なんか信用ならない

綺麗な物には、とげがあるって言うしね

「おはよう、相変わらず元気だね」

なるべく、心の内がばれない様に笑って声をかける

「今日は、葵が来るって言うから楽しみすぎて来ちゃった!」

この言葉が本当かどうかは、私には分からない

でも、楽しみだったのは、嘘ではないのだろう

何と無くそう思った
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