初めましてなんかじゃない
「でね、此処を曲がると近道なんだよ!」

今、桜は私に、学校への行き方を教えている

学校は、あっちで、とか

コンビニは、こっちで、とか

「あれ?桜じゃん」

知らない女の人が声をかけてきた

金髪サラサラロング

美人

同じ制服

かなり着崩しているが・・・

「奈々だー!今から学校行くの?奈々が?めっずらしい!」

嬉しそうに話しかける

「葵も来てたんだ、入院してたんだっけ?退院おめでと」

なんか、スゴク眩しいような人だなぁ

オーラが凄いよ

「ありがとうございます」

ペコリと頭を下げて礼を言う

すると

「あはははは!!!頭なんか下げなくていいし、どした?いつもの葵じゃないみたいじゃん」

そうなのかな??

「私、記憶喪失なので、よく分からないんです」

私がそう云った時

「へ!?」

どうやらこの人は、その事を知らなかったようだ

驚きすぎて、スクバを落としそうになっている

フフフ

自分の秘密を打ち明けた時みたいな、なんか悪戯心が出てきそう
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