初めましてなんかじゃない
「ほんとに―!」

奈々が食いかかる勢いで、聞き返す

「うん、そうなんだよね、あはは」

私が笑うと、プクーと頬を膨らませ口を突き出す

「まったく…、葵!アンタには、危機感とかないわけ―!」

そっか!

記憶喪失だもんね!

「でも、記憶喪失の時ってどうゆう、危機感を持てば…」

はぁ~、と二人して大きなため息をついた

「記憶喪失の時の危機感って言ったら、やっぱ何言われても信じちゃうって所じゃん?」

奈々が顎に手を置きながら言った

ああ~!

「「確かに!!」」

え?

声がハモッタ?

「やべっ!」

もしかして分からないのに、奈々って子とため息ついたの!?

私と、奈々がジト目で桜を見る

あはは~、笑ってごまかす桜

ま、良いんだけどね

「気にしてないよ、桜」

よかった~!!、桜が思いっきり抱きついて来た

勢いが良すぎ!

桜は、軽いからいいんだけどね?
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