初めましてなんかじゃない
「~~~・・・、じゃ、朝の会を終わりにする」

先生の言葉と共にクラスが一気にざわめき出した

私たち三人も、後ろで集まり喋り出す

話題は、さっきの異様なクラスの行動について

特に、奈々と桜は意見が食い違っていたのでまだ、納得していない様子

二人で、討論中私のケイタイが振動した

取り出して見ると

真人からメールだった

でも、私はロック解除の方法が分からないままだ

見たいのに見れない

返信もできない

これは、かなり困った

もっと早く、解除に力を入れておけば良かった

「どーしたの?ケータイのロック早く、取なよ」

奈々が覗き込んでそういった

私だって、できる事ならそうしたい

「だけど、パスワードが分からないんだもん…」

私に分からないパスワードがこの二人に分かるのは?

まずあり得ないと思った

「指紋で開くやつとか、機能無いのかな?」

・・・

「そっか!!その手があった!」

大げさなほどの私のリアクションに二人は、あっけに取られていた

そんなのお構いなしに私は自分のケイタイのボタンを長押し

五秒足らずで、パッと開く

Cメールが一件

表示がそう出ていた

指先でタッチし、それを開く

内容は、今日、一緒に帰らないか、と言ういかにも、恋人たちがやりそうなことだった

どれどれ、と覗き込んできた二人は、えっ、と言う反応だった

「葵、まさか、真人と付き合ってるの?」

語尾が少し震えていた

桜の顔は、信じられないとでもいう様にフルフルとしていた
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