初めましてなんかじゃない
昨日は気づかなかったけど

すぐにキズアトは、見つかった

心臓が大きく波打った

小さな、丸が三個ある

どれも煙草で付けたらしい痕だ

「あれー?真人こんなとこで何してるのー?」

ドアの外から、桜の声がする

「あー、葵に追い出されて」

そういえば真人外に追い出したままだった!

「葵?はいるよー?」

ガラッ

慌てて、スカートを直し

ベットから降りた

「大丈夫?倒れたって聞いたから、心配したー」

心配そうな、声音で声をかけてきた

桜との思い出を思い出したばっかりで
あまり、気分がよろしくない

記憶を思い出す度に、桜が怖くなる

桜の黒い部分が露わになっていく

それを認めたくない自分もいる

だから私は、本当の事を本人から聞かなくてはならない

でも、それが怖くて怖くて仕方ない
< 39 / 60 >

この作品をシェア

pagetop