初めましてなんかじゃない
「おっ邪魔しまーす!」

何とも可愛らしい声でつかつかと家の中に入って来た

見た目はまるで、私がお邪魔しに来たみたいになっているのだろう

ウルサイ心臓がばれない様に階段を上がり、私の部屋に招き入れた

「その辺、座ってー、飲み物取ってくる」

バタンとドアを閉め、ため息をついた

ここまで来るのにかなり緊張した

でも、これからが本題なんだよ!

ガンバ!!

私は、あらかじめ用意してあった、ティーセットのようなものを慎重に2階へと運んだ

「お待たせ―!どうぞ、飲んで」

今までのように、接しろ!自分!

呪文のように心の中で唱える

「ありがと!で、何して遊ぶ―?ウチは、ショッピングモールに行きたいなぁ」

出来れば私もそうしたいけど、桜に聞かないといけない事が有るんだ!

そっちの方が優先!

「あのさ、桜…」

私が、聞きたい事

聞かなくちゃいけない事

いえ!

言ってしまえ!

「桜さ、私に危害加えたでしょ…」

何と無く、言いたかった事とは違うけど、言えた!

「・・・なんで、そー思うのぉ?」

「思い出したんだ、少し」

俯きながら、言うと息を飲むような気配がした

続けて私は言葉を発した

「思い出した記憶の中に、桜にやられた事あったんだ、ほら、この火傷の後とか」
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