初めましてなんかじゃない
それから、かっきり15分間

私はガタガタと震えていた

全身を赤く染めて

私の電話から15分、警察がやって来た

警察官に立たせてもらい、その場を退いた

そして、事情聴取が始まった

小太りの優しそうな警察官に今日の事をすべて話した

最初は舌がうまく回らず何度もつっかえた

やっと落ち着いた頃には夜の9時が過ぎていた

真人も来ていた

さっきから何も言わずに私の隣に座ってくれていた

真人は、泣いてない

辛いはずなのに

私よりずっと辛いはずなのに

嗚咽を抑えて静かに泣こうと努めた
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