初めましてなんかじゃない
「お、おう」

少し落ち着きが無いように見える

どうしたのだろう

立ちあがるとおもむろにドアを閉めた

動揺しているように見えた

真人の部屋は物が少なくスッキリと片付いている

ベットを背凭れにして座る

手は湯を含み白くなっている

「桜・・・」

もう、呼んでも返事のない名前を呟く

今日と言う日が夢だったら・・・

もっと早く気付いてあげてたら

いや

私が桜ともっと一緒にいれば

こんな事にはならなかったのかな?

ゴメン

ゴメンネ・・・桜

私は再、頬を涙で濡らした
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