初めましてなんかじゃない
真人目線~昨日の事~



何日か、行方不明になっていた葵が俺の前で血まみれで倒れていた

意識がもうろうとするのか、弱々しく俺に助けて、と言っていた

俺は見つかった事に大きな喜びを感じたと共に

あの、葵が俺に助けを求めてる

と言う、なんとも言えない快感を覚えた

しばらく葵を見つめていた

どれくらい経ったか

呼吸が浅くなってきていた

そろそろ、潮時か

自分の持っていた、ガラケーで救急車を呼んだ

たった今、見つけたかの様に

救急車は十五分ぐらいで来た

受け入れ先の病院もすぐ決まり、九死に一生を得た様な状態だった

そして、葵はその日の内に目覚めた

その時の第一声で俺は絶望した

まさか、記憶喪失だったとは・・・

そのあとの記憶はほとんど無い

ただ、家に帰る途中桜と会った

未だ、2月だと言うのに、あんなミニスカートは寒そうだと思ったのを覚えている

そういえば桜にまだ、葵の事言ってなかったな

葵の事を伝えると、桜は魚のように食いついた

せかされるままに、話すとなんと、明日も葵の所に行くことになった

もともとそのつもりだからいっか

と、約束した
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