HONEYTRAP(番外編)~お見合い結婚のススメ~
私の座る受付席に浅見さんが歩み寄って来る。



「…緑川さん…」



彼のバリトンの声が私の名前を呼ぶ。


私の鼓動も全身全てが嬉し過ぎて震えていた。



「寒いのか?」


「いえ…これから仕事ですか?」



「東京支社での仕事は終わった…明日から…また『ソーマ』で仕事をするよ」



「そうですか…」



「・・・仕事は?」



「定時で終わりますよ…浅見さん…」


隣に座っていた名雲先輩が口を挟んで来た。


「デートのお誘いですか?」


「…ホワイトデーのお返しにディナーはどうかと・・・」



「ディナー!?そんなのは困ります!!だって…あのトリュフは私の手作りだし…」






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