HONEYTRAP(番外編)~お見合い結婚のススメ~
メインディッシュの金目鯛のオーブン焼きが運ばれて来た。




彼の質問の返事は消化不良のまま。
互いに黙々と金目鯛をナイフとフォークで切り分けて口に運ぶ。



「あの…私は…」


「…俺の質問…否定しないトコを見ると…本当なんだな…でも…俺の様な男を好きになっても…仕方がない…見合いしてそいつと結婚した方が幸せになれるさ」




「浅見さんは素敵な人だと思いますよ…私のコト助けてくれたし」




「…俺は君を助けた記憶がない」



彼は唯の通りすがりだったけど。


私の記憶の中では今も素敵な想い出として残っている。


私は今もその残像を追い続けて、あの時の彼と重ね合わせている・・・



人は変わり続けて行くのに…



私は…あの時のまま・・・

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