HONEYTRAP(番外編)~お見合い結婚のススメ~
私は先に足を進める。


ズリッと草履が苔の生えた石の上で滑ってしまった。



「危ないっ!」



浅見さんが背後から私の身体を支えようと手を伸ばす。


咄嗟のコトで浅見さんの口からポロリと吸いかけの煙草が地面に落ちた。



「!!?」



浅見さんの右手が私の胸許に触っていた。



これはワザとじゃない…不可抗力だ。

頭では判ってるけど…



「手、手、手が・・・」



「んっ、あ…でも振り袖の上からだろ?それよりも立てる?」



触られた私の方はあたふたしてるのに、触った浅見さんは冷静沈着。



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