HONEYTRAP(番外編)~お見合い結婚のススメ~
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私は浅見さんと話をしようと早めに出社して、受付席に座って待っていた。



彼の携番を知らないから接触するにはこの手しかない。



黒のトレンチコートを羽織り、ブリーフケースを持った浅見さんが颯爽とエントランスを潜って来た。



「浅見さん!!」


私は人目を憚らず、大声で浅見さんを呼んだ。



浅見さんは足を止めて、受付席に歩み寄って来た。



「あの…その…」


「あれから…お袋の所に家元から電話が掛かって来た…」


「お父さんが!?」


「今日は内勤だ。外でランチしながら…詳しい話をしようか?」

浅見さんは身体を少し屈めて、私の耳許で囁いた。鼻腔が彼のムスクの香りに擽られ、鼓膜が低く優しい声音に震える。


「あ、はい」
私は顔を赤くさせて俯く。


「昨日の話は真面目に俺も考えるから…君も逃げないで、緑川さん」



私は絶対逃げません…

浅見さんとなら世界の果てまで付いて行きます!!









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