HONEYTRAP(番外編)~お見合い結婚のススメ~
俺は来桃を行きつけのBARに誘った。


カウンターだけの小さな店。


いくつかのランプが照らされて、均等な明るさを周囲に与えていた。


落ち着いた店内が俺に安らぎを齎す。


若い頃は世界中を駆け回って絶景を写真に撮って来た風景カメラマンだったマスター。常連になるとマスターの撮った秘蔵の写真が見られるとコトを知り、通い詰めて、半年前ようやく…マスターの秘蔵の写真集が見られた。


俺の望みは叶ったが、マスターの人柄に惚れて時間さえあれば、BARに顔を出していた。


いつもなら一人で来るはずだが、マスターには俺の妻となる来桃を紹介しておこうと二人で足を運んだ。



「へぇー芳也の婚約者か・・・可愛いねぇ」


「緑川来桃と言います。よろしくお願いします」


「よろしく…今夜のカクテルは二人の結婚祝いだ。とびっきり美味しいオリジナルカクテルをご馳走するよ」


「サンキュー…マスター」









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