HONEYTRAP(番外編)~お見合い結婚のススメ~
麻子のマシンガンのような喋りからようやく解放されて、俺に主導権が移る。


「紹介する。俺の婚約者の緑川来桃さんだ」


「・・・」


来桃に俺は自己紹介を振ったが、無言で俯いたまま押し黙っていた。


「…来桃はテレ屋さんで・・・」


俺は苦し紛れの嘘で誤魔化した。


麻子達は俺と一つ椅子を空けて座り込んだ。


狭い店内。


来桃は元カノの麻子を意識してか…何も喋らなくなった。


小難しい表情でマスターが作った結婚祝いのカクテルをチビチビと飲むだけ。


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