HONEYTRAP(番外編)~お見合い結婚のススメ~
「来桃お前・・・」

帰宅した浅見さんは私を顔を見るなり、切れ長の瞳を大きく開く。

「来桃ちゃんとお前は結婚するんだ。他人事じゃないだろ?今後のコト話し合う必要あると思って…部屋に招いた」

「余計な真似をするな!」
浅見さんは気転を利かせた吉良さんを怒鳴り付ける。

「しかし…お前は何一つ…来桃ちゃんに自分の身に起こっているコトを話そうとしない・・・」

「だからって…俺に断りもなく・・・」

「俺は少し外に出るから…二人で話し合うんだ!浅見」

吉良さんは浅見さんの態度に戸惑う私に優しく微笑み掛けた。

「・・・」

浅見さんは険しい顔で吉良さんを見送った。

二人だけになった部屋。

浅見さんと吉良さんは同じ部屋をシェアして住んでいた。

「事実をキチンと説明しましたか?」

「していない。上は訊く耳を持っていない。元々恋愛に関してはオープンな会社じゃないからな」

< 83 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop