【短】そんなんじゃ、足りないよ。
カシャリーーー




床にメガネの落ちる音がした。





う………わ…………




色素の薄い、少しブラウンの髪の毛が夕日に照らされてキラキラ輝く。




目は凛々しく私を見つめる。




会長さま。この時点で私、ドキドキしてますよ…!!!





けど、もっと会長さんを知りたいから私は嘘をつきます。




「そんなんじゃ、足りません。」




声がちょっぴり震えた。




『もちろん足りるなんて、思ってない。』





そう言うと会長さまは近づいてきた。




わわっ?!近いです!!吐息が顔にかかってますよ?!




私は会長さまの歩みにあわせて後退していく。





こんな真っ赤で熱い頬、会長さまにみられたくはありません!!!




ガシャーーー




金属の擦れる嫌な音がした。





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