世界一幸せな国Ⅰ
「お兄様、お姉様……!!よく、よく無事で……!!おかえりなさいっ!!」
ユ「……お兄様、お姉様……っ!!怖かった……!!また大切な人を失うんだって思ったら……!!よかったぁ!」
バ「……あなたたち。よく生きててくれました。私たちが目を離したせいね、ごめんなさい」
ア「お前たちが無事でよかった。こんな恐ろしい悪夢は懲り懲りだ。……ローナ、ユアン。ありがとうな」
7人で、泣きながら抱きしめ合う。
そんな姿に周りからは拍手と歓声が起こった。
そんな矢先。
痺れは、当然治るはずもなかった。
顔を除き、全体にまで及んだ毒によって、私はその場へと倒れた。
「……なんだ、顔は麻痺しないんだ……」
最期に話せる。
最期という言葉に悲しさを感じながらも、前世と違い、ちゃんと別れを言えることに嬉しさを感じた。
ユ「……嘘でしょう?!ローナ?!なんで!!全部解決したじゃん!!何こんなとこでへばってんの?!」
そう叫んだユアンも、
ユ「あぁ、そういうこと……」
顔は痺れないことに気づいたのだろう。
そう言って、倒れた。
手足の痺れは強く、力なんて入らなくなってしまった。