世界一幸せな国Ⅰ
第四章
……2人は大丈夫
あれからしばらくして、救急車と警察はやってきた。
男は、魔法で直接警察署へと向かった。
ローナとユアンは、魔法での転送は体の負担になるためと救急車で運ばれた。
幸いなことに、王立病院に空きがあったため、すぐに緊急手術へと取り掛かることができた。
病院へ着くと、医者や看護師が慌てていた。
状態が悪いからだろうか。
それとも、公爵家だからだろうか。
どちらにせよ、王立病院なら心配ないと思ったのだが。
王立病院ならば、この件が公になることもないし、入院しているのは重体の患者や上位貴族ばかりだ。
王族の人の治療をしたこともある彼らなら信用もできると思った。
2人が手術室へと運ばれる時、俺は医者に言った。
「……俺の妹と弟を、よろしくお願いします」
その医者は、笑顔で頭を撫でてから
医「お任せください」
そう言って入っていった。
もう一度、あの笑顔が見られますように……