世界一幸せな国Ⅰ
皆、大丈夫かな?
お兄様達、自分を追い詰めて闇に染まるなんてことなってないよね。
私がいなくてもやっていけるよね。
自分の不注意で刺された腕。
ユアンの事を守ることも出来なかった。
家族の事を守れないなんて……
皆きっと怒ってる。
ユアンが刺されたのは、私のせいだと言っても過言では無い。
5年間ありがとう。
?「いやいや、お前何言ってんだ。藍乃……じゃねぇや、ローナはまだ死んでねーよ。勝手に殺してんじゃねぇ」
懐かしい、男らしい声と素晴らしいぐらいの言葉遣いが響いた。
「悠馬!」
そう、悠馬だ。
確か、「転生手続き案内係」だったはず。
え、でも……
「死んでないってどういうこと?ここって死んだ人が来るところでしょ?」
悠「死んだ人だけじゃねぇ、生と死の狭間にいる人も来るんだよ」
へぇ。
じゃあ私は今、生と死の狭間にいるんだ。
「じゃあ、あっちの世界に戻ることもできるって事?」
悠「それはローナ次第だな。意志の堅さと運があればいけるんじゃね?」
絶対帰ってやる。
戻りたい、死にたくないっていう気持ちは誰にも負けないんだから!