世界一幸せな国Ⅰ
しばらくして、廊下が騒がしくなってきた。
家族が面会に来たのだろう。
バ「ローナ、来たわよ!レオ、聞いて!あのね、お医者様に聞いたらもうすぐ2人とも目が覚めるかもしれないって!」
ロ「ありがと、お母様。心配かけてごめんなさい。ちゃんと起きたよ」
バ「いい……えぇっ?!ローナ、いつ起きたの?!」
ロ「たった今。ただいま。心配かけてごめんなさい」
バ「おかえり!」
お母様は号泣しながら、ローナに抱きついた。
その光景に、また涙が出そうになる。
──ガラガラ
メ「……ローナ!!ローナぁっ!!遅かったじゃない、ずっと待ってたのよ!」
ラ「ローナ?!うそっローナおかえり!!え、夢じゃないよね!!」
お父様は、仕事があったから今日は来ないが、後で電話してやろう。
ローナが戻ってきて、本当に良かった。
一瞬で家族が賑やかになる。
メ「ねぇ、ナースコールはもう押したの?」
落ち着いたメアリーが発した言葉に、皆は固まるばかりだった。
……ナースコール。