世界一幸せな国Ⅰ
ユ「はぁっ?!あれだけ起こしておいて、それが言いたかっただけ?!そんな過去のこといいじゃんか。……でも、みんなに心配をかけたのは悪かったと思ってる。……ごめんなさい」
ユアンが頭を下げた。
その頭を上げさせると、ドアの方から誰かの気配がした。
そっと振り返ると、そこにいるのは体をわなわなと震わせて仁王立ちしているベルモンド。
ベ「病院内では、お静かに!!!!ローナ様とレオ様以外の皆様には先ほど廊下でも申し上げたはずです!他の患者様のご迷惑になりますのでお静かに願います!!」
「「「「「「すみません」」」」」」
ベ「それより。ユアン様、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。主治医をさせていただいております、ベルモンドです。お身体の具合はどうですか?」
ベルモンドが優しく笑いかけて言った。
ユ「ご丁寧にありがとうございます。お世話になっております。ユアン・ボールドウィンと申します」
そして、ローナと同様に説明等を済ませた彼は、出て行こうとした。
すると──
バァァン!!
ア「 ローナとユアンが目覚めたって……本当か??!!……!!!!ローナ!!ユアン!!」
遅れてお父様が入ってきた。
ベルモンドからわずかな殺気を感じる。
ベ「病院内では!!!!お静かに!!!!」
ア「さ、さーせん……」
何がともあれ、みんな、日常が返ってきたことに安心感を感じてしまうのだった。
レオside end