世界一幸せな国Ⅰ
「……」
ユ「……かわいい……」
言った直後に、やってしまったとは思った。
これは、いわゆるツンデレというやつじゃ……
でも、許さない!
「ユアン!!ほんっとに許さないからな!!5時間は庭の木に吊るしてやる!」
ユ「え……いや……ちょっあれは……」
ユアンはさすがにたじろぐが、私は木の吟味をしていた。
「メアリー姉様、ロープ持ってきて。ユアン、逃げんな。ランダ兄様、抑えてて。レオ兄様、ワイヤー取ってきて」
そして、リビングの窓から見える大きな木にユアンをぶら下げた私は、話しかけた。
「なぁ、ユアン。こんなことするの5年ぶりだな。心地はどう?」
ユ「さいっっあくだよ!!お願いローナ元の口調に戻って!許して!ほんとごめんってからかったりして!!」
「知らねーなぁ。私は忠告したし。……あ、風……」
ユ「え、嫌だ!無理無理無理!!!!……ちょっとローナ?!つつかないで!!」
そうして吊るされたユアンが降ろしてもらえたのは2時間後。
私にとっては優しい方だが、兄弟両親は出来るだけ怒らせないようにしようと心に誓ったのだった。