世界一幸せな国Ⅰ


ウ「さぁ、いただきましょうか」



彼女が出してくれた料理には驚いた。



たくさんの天ぷら、お味噌汁。

玄米のご飯に漬物らしきものもついている。




ロ「……天ぷら、お味噌汁……かっ彼方!これ……!」



ユ「……うん、間違いなくそうだ。……凄く懐かしい。……うれしい……」





私たちは箸が止まらなかった。


今世で箸を使うことは初めてで多少不安が残ったが、やはり習慣はちゃんと刻まれているのだ。



私たちは、涙が止まらなかった。




ル「おいおい……そんなに美味いのか……?」



ルドが、怪訝そうな顔をした。


ユ「……ぼ、僕たち、お昼何も食べれなかったからっ……」



ル「そうかそうか。たくさん食べてたくさん休みな」



ロ「……ありがとう……っございます……」




いい人だ。


自分たちが生きるために人を殺すというのは嘘だろう。


だって、その人に飯を食わせるんだからそれをやったら生活なんてできなくなる。


でも、じゃあ……なぜ……?

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