世界一幸せな国Ⅰ



ウ「分かったわ、今回は電気ショックにしておく」



ル「変な傷入れるんじゃないぞ?脳とか内臓とかすぐ割れちまうらしいから」





一部始終を聞き、確実だね、と顔を見合わせた私たちは、彼らの前に立った。


ユ「ふぅーん。ねぇ、今のってなんの話?鶏肉の話?……違うね、僕らの処分法考えてたんでしょう?」



ウ「……え?……あら、寝られないの?」




ウィルはとぼけて見せるが、顔が強張っていた。




「質問に答えて。間違いだったら困る。あなた達は、明日、私たちを食べるつもりだよね?」



ウ「……何言って……そんなはず……」



そう言いながら、ウィルは少し視線を上げた。


上を向くと、ルドが迫ってくるのが分かった。




咄嗟に左右に避ける。



「なんで?!あなたたちは私たちがいなくても生きられるじゃない!!なのに、なんで食べようとするの?!!」



ウィルも攻撃を仕掛けてきた。


2人の攻撃を避けながら叫ぶ。




彼らは良い人たちだと思ったもの。




裏切られたくなかった。


信じたくなかった。


受け入れたくなかった。
< 174 / 256 >

この作品をシェア

pagetop