世界一幸せな国Ⅰ
ウ「分かったわ、今回は電気ショックにしておく」
ル「変な傷入れるんじゃないぞ?脳とか内臓とかすぐ割れちまうらしいから」
一部始終を聞き、確実だね、と顔を見合わせた私たちは、彼らの前に立った。
ユ「ふぅーん。ねぇ、今のってなんの話?鶏肉の話?……違うね、僕らの処分法考えてたんでしょう?」
ウ「……え?……あら、寝られないの?」
ウィルはとぼけて見せるが、顔が強張っていた。
「質問に答えて。間違いだったら困る。あなた達は、明日、私たちを食べるつもりだよね?」
ウ「……何言って……そんなはず……」
そう言いながら、ウィルは少し視線を上げた。
上を向くと、ルドが迫ってくるのが分かった。
咄嗟に左右に避ける。
「なんで?!あなたたちは私たちがいなくても生きられるじゃない!!なのに、なんで食べようとするの?!!」
ウィルも攻撃を仕掛けてきた。
2人の攻撃を避けながら叫ぶ。
彼らは良い人たちだと思ったもの。
裏切られたくなかった。
信じたくなかった。
受け入れたくなかった。