世界一幸せな国Ⅰ
ル「すまなかった。殺そうとして」
ロ「こちらこそ、騙すような真似をしてすみませんでした。大切なお話を聞かせてくださりありがとうございました」
10年で魔族と人を和解させるということを約束し、話は落ち着いた。
ウ「あなたたちに会えてよかった。私もあなたたちを信じる、だから……」
そこで言葉を切ったウィルは、笑顔で言った。
ウ「またいつでもいらっしゃい。ローナ、ユアン」
ユ「また来ます!ウィルさん、ルドさん、本当にありがとうございました!」
魔法使い族と魔族。
姿は違えど、やはり、気持ちは一緒だった。
ツノと羽と尻尾があるだけ。
何があってこうなってしまったのかはまだ分からない。
……でも絶対に、共存してみせる。
全てを調べ上げて、彼らにもう一度謝罪するんだ。
彼らを守ってみせる。
そう心に決めて、村を出た。