世界一幸せな国Ⅰ
「……」
彼「……」
やばい。
恥ずかしすぎる。
前世、よくこれやってたな。
男1「……双桜……」
「要はね、意味もなく暴れてる人たち押さえてんの。さっき、なんでこんなことしたのかって聞いたよね?」
無名のここでやっても本当に意味がない。
前世まで背負ってたあれは、自分のブランドだったから。
盾がないブランドは、無名だ。
男1「……はい」
「大世界史に出てきた近藤藍乃も出雲彼方も、そんなことはしなかったと思うよ。
そんなことしてたら、仲間なんていないし、藍乃も彼方もひとりぼっちだったんじゃないかな。
あの人たちは、一緒にいた仲間を救いたくて身を投げたんだ。
お前らは逆だよ。
周りの人を傷つけているお前らが、強くなれるわけねーだろうが。
弱いものいじめをして、それで勝って、なにが強いんだ?
本当に強い人は虐めるんじゃなくて、それを救うんだよ。
お前、守りたいもんあんのか?」