世界一幸せな国Ⅰ
あんた、名前は?
あ。
忘れていた。
彼方に話す前に、ストーカーをなんとかしなければならない。
「誰だ。誰が着いてきている」
威嚇をしながら聞いた。
殺気などは一切感じられない。
?「ビクぅ!!」
後ろの電柱で緊張したものがいる。
彼「いい加減出てきたらどう?」
私達が気づいているとは思っていなかったようだ。
そっと、電柱の陰から出てきたのは、12歳ぐらいの男の子だった。
?「……すみません。お2人がカッコよかったのでつい……」
この国に珍しい栗色の髪に、コバルトブルーの瞳をもつ、痩せ型の少年だ。
「あんた、名前は?こんな時間になにしてんの」
私が聞くと、少年はまっすぐな目で言った。
?「エドワード・ソニックと申します。あの、桜蝶さん、桜龍さん、ぼ、ぼくを……弟子にしてください!!」
不良には見えない。
喧嘩もしたことはないだろう。
格好からして、一般的な町民だろうか。