世界一幸せな国Ⅰ
彼「番号教えてくれる?」
彼方が聞くと、やはり笑顔で返事をする彼。
不良より、優等生といった印象を持つ。
エ「はい!」
ケータイを近づけ、電話番号を登録した。
「はい、貸してくれてありがとな。よろしく、エドワード」
ケータイを返し、目を見て言った。
ちなみに私たちが今使った番号は、緊急事態用に作っておいた普段使いはしないケータイのものだ。
今回の討伐のために作っておいたので、エドワードの登録は、ユアンのサブケータイ、ウドに続き3人目となる。
エ「よろしくお願いします!」
エドワードは、私たちの番号が入ったケータイをキラキラとした目で見つめてから、笑顔で言った。
「じゃあ、今日は帰んな。また連絡する」
エ「わかりました!失礼します!」
……なんか、前世を思い出すなぁ。
今日の出来事の数々で、そう思った。
もう二度と作らないと決めていたチームを作りたいと、少しだけ思ってしまった。
それは、彼方も同じようで、彼は少し泣きそうな表情で黙っていた。