世界一幸せな国Ⅰ
「……そろそろ、帰ろっか」
4時くらいだろうか。
夜が明けてきた。
夜明けに、私たちの活動は終了する。
日中は姿が見え、人通りが多く喧嘩が目立ってしまうからである。
私達はあの後、3、4ヶ所行った。
カツアゲやリンチをしている男が多かった。
汚いところは変わらない。
人間の心理は、どこも同じだ。
女子にはケバいパンダやぶりっ子がいるし、金持ちのボンボンには親の権力振りかざしてる馬鹿がいる。
メイクは自己表現だから否定はしない。
ぶりっ子も、それを生き方にしているのなら、否定はしない。
しかし、親の権力を振りかざす奴は、本当に馬鹿だと思う。
大きくなっても自分で稼いでいないくせに、なにが自慢できるのだろう。
なにが誇れるのだろう。
肌の露出が多い女子。
髪をクルクルに巻いて、オジサマにまとわりつく女。
私には、分からない。
どんな事情があるのかも、どう思ってそれをしているのかも。