世界一幸せな国Ⅰ
雪「七代目総長、桜田 創!」
創「はいっ!」
創は、中学生の頃にここに来た。
回転の早い頭を持ち、それを生かすべく、私が生きていた頃から幹部補佐につけていた。
「副総長、……。情報幹部、……。戦闘幹部、……。救護幹部、……」
龍夜が他の幹部を読み上げる。
……あれ?
私は、6代目だったはずだ。
彼「どういう……こと?創たちは、八代目じゃ…ないの?」
隣から、「彼方」の声が聞こえた。
私たちを、まだ席に置いてくれたのだろうか。
「……あんた、姿が彼方だよ」
彼「?!!うわぁ!!あ、藍乃?!なんで居るの!!」
私が声をかけると、彼方は気づいていなかったのか、飛び上がった。
「なぁ彼方、これって夢なのかな……?私、もう一度ここに立ちたいって……思ってしまった……」
私は、震える声で話した。
彼「そうだね、俺もだよ……。夢なら、もう一度あの場に行けるかな……」
現実では叶わない。
だから、夢ではもう一度。
そう思った。