世界一幸せな国Ⅰ
そのキラキラで見えたのは、小さな傷だった。


横に伸びている。




ユ「これ、何か書いてない?」



ユアンが言った。


光が反射して、傷が部屋の壁に映る。





『まえにすすめ』





反転していたが、そう書いてあった。




桜の絵と違ってガタガタとしていたことから、彼らが彫ったものであろうということは明確だった。



マリカをした時、4人勝負で余った1人は、必ずどこかに行っていた。


きっとその時に彫ったのだろう。




「進んでも、いいのかな?……間違った道……だよね?」



ユ「間違った道だね。でも俺ららしい道だとは思う。ローナ、改めて頼むよ。一緒にチームを旗揚げして、俺が道から逸れすぎないように止めてほしい」



少し微笑んだ後、向き直って彼は言った。



「まだ不安はあるよ?ブレるし悩むよ?それでもいいの?」



ユ「ローナの不安は俺が取り除くから大丈夫!」
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