世界一幸せな国Ⅰ
ちゃんと対策は取っています。

まだ改善の余地はありますが、これをベースに作っていこうと思います」



そう言って昼間作った資料を渡した。



ア「ほう……」




お父様はそう言ったきり黙って資料を読み続けた。


そして顔を上げた。



ア「いいだろう。

しかし、今から聞く質問に答えられたらだ。


















昨晩、お前たちは何をしていた?」






「……えっ……」



なぜ?


どういうこと?



どれのこと?




疑問が浮かんでは消え浮かんでは消えを繰り返す。





「……なんのこと?」





声がかすれた。


焦った時に誤魔化せるような精神は、持ち合わせていない。



回らない頭で発せられた言葉はそれだけだった。


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