世界一幸せな国Ⅰ
「デニスたちは幹部補佐の傍ら班長をしてもらいたい。全員役は大変だけど、損と後悔はさせない。やってくれる?」
「「はい!」」
返事や頷く顔を見た私は、大丈夫だと思えた。
「よし!じゃあ班と係決めに戻ろうか」
班を5班に分け、係別の説明をしてから今日は解散となった。
今日中に、撮った写真写真と名前を照らし合わせて覚える予定。
さらに誰がバイクに乗れて、誰が乗れないかも把握しなければならない。
もうすぐ、私たちが一から作るチームが始動する。
凛桜(リンオウ)。
私が言えなかったことを言いだしてくれたユアンにも、後押ししてくれた両親にも心から感謝している。
彼らの居場所になりたい。
力になりたい。
でも迷惑行為が何か理解できる以上、悪目立ちすることをしたくないのは事実。
なんとかいい方向に持っていきたいとも思ってしまうのは、私はもう不良ではなかったからなのだろうか。
方向性とは難しいものだ。
模索をどれだけ繰り返しても正解が出ない。
魁桜を初代から作り上げた先輩方を心から尊敬する。