世界一幸せな国Ⅰ
やはり、現実を、受け入れられないようだ。
「……今からッ病院行くぞ!2人にお別れとありがとう……言ってこいっ!」
幹「ッ!!嫌ですッ!!お別れってなんですか?!なんで病院なんて行くんですか?!!」
「……行くぞッ!最期の挨拶……してやれ!行ってらっしゃいって……言ってやれ!」
俺たちは、パトカーに乗りこんだ。
今から向かうのは、病院。
藍乃と彼方が運ばれた総合病院だ。
そこに向かうまでのパトカーの中は、とても静かだった。
シン……としていた。
どれくらい経ったのだろう、病院に着いた。
俺たちは降りて、緊急入り口から入った。
「……近藤藍乃と出雲彼方の親族のものですが……」
看「……はい、こちらです……」
看護士が連れてきてくれたそこは、……安置室だった。
2人の顔には、白い布が掛けられていて、2人が死んでしまったんだということを物語っていた。
藍乃は包帯まみれだった。
全身に包帯が巻かれていた。
少し受け入れられたのであろう幹部の泣く声が響いていた。