世界一幸せな国Ⅰ
剣と魔法の国とか……!!
悠「……ま、まぁ、それはともかくだな……おめでとう」
私と彼方に殴られ蹴られた悠馬は、苦しそうに言った。
「ありがとう」
手には力いっぱい拳を握りしめ、そして最高の笑顔で言った。
もう一度言おう。
私はもう一度殴りたくなる気持ちを抑えながら、手には力いっぱい拳を握りしめ……
悠「藍乃……その手は何かな?」
「ん?……なんでもないよ?気にしないで?ってか気にすんな」
悠「え……でもだって気にしてください感醸し出して……ッすんません」
睨みを利かすとすぐに黙る悠馬。
私がそんな気にしてください感なんて出すわけないじゃん。
もっとも睨みを利かしたのは私だけではなかったが。
皆様お気づきではないだろう。
彼方が右足で蹴れるように足のストレッチをしていたのを。
悠「……ひ、ひどい……」