世界一幸せな国Ⅰ

手を取り合って喜ぶ私達を見て、悠馬が言った。


悠「じゃ、そこでいいか?別に今みたいに魔法を使えない人間界って手もあるんだぞ?」


「いやいやいやいや、私達のための世界のようなものじゃん!!」


彼「そんな世界があっていかない手がないよ!!」



「「ねーっ!!」」



私達は完全に興奮しきっていた。


悠「では、世界を決定する。最後にもう一度聞くが、もう変更はできない。本当にいいんだな?」


悠馬が私達に聞くが、私達の意見が変わるはずがなかった。



「もちろん!」


悠「神ー!言うぞー!!世界はタザラントリスだ」


悠馬がタブレットに向かって言った。


ところで、タザラントリスって何だろう。

彼「ねぇ、悠馬。タ、ずラン……トリス……?ってなに?」


同じことを思っていたであろう、彼方が言った。


それに気づいた悠馬がこちらを向いた。

もう通話は終わったようだ。



悠「タザラントリスか?世界の名前だよ。人は住んでいる星を地球と言う。ま、それをあいつらはタザラントリスって言うんだな」


「え、じゃあ、地球人から見たら来世の私達は宇宙人になるの?」



悠「いや、ならねぇな。同じ地球でも世界はたくさんある。ゲーム好きなお前らならわかるだろ、パラレルワールドだよ。出発点が、同じ人間だとしても、そこから枝分かれして出来ていく世界は限りなくあるんだ。2人が死んだっていう世界がこれだが、2人が結婚する世界もある。その先に子供を産むか、夫婦円満か、など、本当に細かく分かれている」
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