世界一幸せな国Ⅰ

悠「その中にある魔法界……すなわちタザラントリスがお前らの行く世界。

その世界の中のの小さな国のひとつだ。


本来なら、前世の記憶思い出しちまっても過去の記憶と今残っている歴史に矛盾が生じないように同じ世界に転生しなきゃなんねんだよ。

例えば、はじめに第17世界で魂ができたとすれば、転生しても17世界のままだ。

例えば、織田信長が本能寺の変で死んだという過去はここにしかない。坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺されたという過去もここにしかない。


13世界では織田信長は全国統一してから死んで、豊臣秀吉が幕府を開いた。


15世界では徳川の江戸幕府は存在するが、坂本龍馬は脱藩してないし、薩長同盟は結ばれていない。


もし17世界で生きてたやつが16世界に転生して、たまたま記憶を思い出してたら?


存在しないはずの本能寺の変が記憶の中にあったら混乱するだろ?


だから基本的には同じ世界に転生するんだ。




だが、お前らが行きたい剣と魔法の世界は第7世界以前まで遡らないと存在しない。


魔法が発達していて、なおかつ世界のことまで知られているのは第5世界しかない。



第5世界では他の世界の勉強もできるらしいから混乱はまだ少ないだろう。


並世史という科目で17世界の歴史を学ぶこともできる。


楽だろう?



剣も魔法も学問も、1番タザラントリスが発達してるんだ。


そうそう、第5世界には日本列島はあるが日本は存在しない。


他の国もそんなところが多いだろう。



なんとなく理解できたか?」


分かったような、分からなかったような……。


なかなか難しい話であったように思う。


悠「ま、もっと砕いて言えば、17世界は地球を共通語でearthという。それをその世界はタザラントリスという。それだけのことだ。タザラントリスというのはその世界だけだから、タザラントリスと伝えた」



「……うーん、よく分からないけどパラレルワールドに行くんだね?私。オッケ、手続き進めて?」



悠「そうか。じゃ、次は……えーっと、物件探しか。何かご希望は?」
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